冷え性に効果的な漢方薬である海馬補腎丸かいばほじんがんを解説

冷え性に効果的な漢方薬である「海馬補腎丸」について

中国の名薬「海馬補腎丸(かいばほじんがん)」

女性の閉経の前後の時期に起こる様々な不快症状を更年期症状といいます。東洋医学では、更年期の特徴的な症状を「肝」と「腎」の働きが低下している状態と考えます。

「肝」は血液を貯蔵し浄化して、その質や流れる量を管理しています。そのため「肝」の働きがうまくいかなくなると、血液の浄化が不完全になるため、血液の質が悪くなります。

さらに血行が不順になりますので、冷えやのぼせの原因となるのはもちろん、筋肉に新鮮な血液が回らなくなって、こりや筋肉痛などを起こします。十分な血液が届かないので脳の働きも鈍り、イライラと怒りっぽくなり、眠りも浅くなります。また「血の道症」ともいわれる、婦人科系の疾患も起こりやすくなるのです。

東洋医学でいう「腎」は、西洋医学の腎臓の働きだけでなく、ホルモン系や生殖器系の働きも含み、生命エネルギーが蓄えられる臓器と考えられています。ですから、東洋医学では様々な身体の衰え(老化現象)のことを「腎虚(じんきょ)」といい、腎の働きが衰えている状態と考えます。

「腎虚」の具体的な症状としては、性機能の退化、カルシウム代謝の不足による歯や骨の弱まり、ノイローゼ、不眠、冷え、慢性下痢、尿の失禁、脱毛、白髪などがあげられます。さらに、腰痛やギックリ腰が起こしやすくなります。

人生の半分を過ぎたあたりの更年期は、生殖器だけでなく「肝腎要」の肝と腎の働きが弱り始めてくる時期とも考えられます。このような肝、腎の働きを回復させて、特に更年期の諸症状にとても効果を発揮する漢方薬が「海馬補腎丸(かいばほじんがん)」です。

「海馬補腎丸」の特徴は、動物性の生薬がたくさん含まれていることにあります。植物性の生薬に比べると動物性の生薬は即効性があり、そのうえ作用も強いです。日本漢方では動物性の生薬はほとんど用いられることがなく、中国漢方独特の処方です。

「海馬補腎丸」は20種類の生薬で構成されていますが、そのうち半分に動物性生薬が用いられています。「海馬(かいば)」「鹿茸(ろくじょう)」「蛤かい尾(ごうかいび)」「海狗腎(かいくじん)」「鹿腎(ろくじん)」「驢腎(りょじん)」「鮮対蝦(せんたいか)」などは腎の衰えに伴う全身の衰退を改善し、代謝を活発にします。

さらに「鹿筋(ろくきん)」「花龍骨(かりゅうこつ)」も含まれており、これらは筋骨を強くし、腰などの痛みやだるさを改善するのに役立ちます。

以上の動物性生薬に加えて、それらの働きを補助する「人参」「黄耆(おうぎ)」「熟地黄(じゅくじおう)」「枸杞子(くこし)」「桃仁(とうにん)」などの植物性生薬も含まれます。

「海馬補腎丸」は、冷え性をはじめ、現代医学では解決が難しい更年期の諸症状にとても即効性のある薬ですが、その分、作用も強いので、中国漢方に詳しい医師や漢方薬局に相談のうえ、服用してください。

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